
ー作品概要ー
「第一楽章 序章・安らかに寄りそって」
風が止んだ。レクイエムが聴こえてくる。誰のために?ぼくのためだ。死んだのはぼくなんだ。
「第二楽章 風の吹くばしょ」
風が吹くばしょ。それは時が流れる、懐かしい世界。風の合間から幼い声が聞こえてくる。
「第三楽章 使者たち」
不穏な音色で、未来の前兆を伝えにくる使者たちが現れる。
「第四楽章 夜という海」
子守唄の聴こえる中、幼い声が海のように深く黒い夜に祈りを捧げる。
「第五楽章 空が輝いた日」
空が輝いた日は、破滅とともに終わった。幼い声は「なんで」と問いながら消滅した世界をさまよう。そして、空が輝いた理由が、空が燃えたからだと悟る。
「第六楽章 もうきかないで」
天から穏やかな声が聞こえてくる。「なんで」という幼い声の問いに答える。「もうきかないで。絶対にその答えは手にいれることはできないのだから。」
「第七楽章 手をとって」
幼い声は助けてほしいと周りに求める。破壊されたモノを探し、集めるために。それに応じる声が言う「この世界が壊れたのはあなたのせいじゃないから。」
「第八楽章 風がまた吹くとき」
風がまた吹くとき、時もまた流れる。可能性という風に乗り、希望をもって新たな世界へ幼い声が旅立つ。
ー歌詞日本語訳ー
第一楽章
序章・安らかに寄り添って
静寂が呼びかけるとき 風は止む
ぼくには聴こえる
足跡を追うものは もういない
気づかれている
風が消えた 風が消えた
レクイエム
童心よ 安らかに寄り添って
レクイエム
童心よ 汝は穏やかなり
歌が聴こえる 歌声が聴こえてくる
誰に、誰のために歌うの?
ぼくの知る人へ、それとも
ぼくの大事な人へ、それとも
ぼくが嫌う人たちに、それとも
ぼくが求める あなたのために
歌が聴こえる 歌声が聴こえてくる
僕にはわかる 誰のための歌なのか
言って その誰かを言って
そう、言って 僕の名前を
レクイエム
童心よ 安らかに寄り添って
レクイエム
童心よ 汝は穏やかなり
眠りの中で聴いた 言葉、物語のように
ぼくに歌ってくれる ぼくに歌ってくれる
レクイエム
*
第二楽章
風の吹くばしょ
山の讃歌 低く轟き 丘を超え
木々を揺らして 香りを届ける
空と大地は有志をたずさえた
見よ 時の友よ
駆ける足首に絡む
童心のときの思い出
生まれ育った故郷
鳥は高く舞い
宙を掴んで 自由となる
風は吹きながら
風の吹くばしょ
それは 四季の心が宿る
我が永遠のふるさと
ともに息をしよう
この懐かしい世界で
風が昔のように聞こえるから
大空の涙
穏やかな雨が地に降りる
古い色を脱ぎ 生まれ変わりながら
穏やかな雨が地に降りる
嵐の予感
新しい季節の到来とともに
野原は雷の 遠吠えに震撼する
鳥は高く舞い
宙を掴んで 自由となる
風は吹きながら
風の吹くばしょ
それは 四季の心が宿る
我が永遠のふるさと
ともに息をしよう
この懐かしい世界で
風が昔のように聞こえ
昔のように触れてくるから
さあ
ともに息をしよう 涼しい水のほとりで
裸足のまま 一緒に
小川を追いながら
風が吹く 風が吹く
風の吹くばしょ
それは 四季の心が宿る
我が永遠のふるさと
*
第三楽章
使者たち
彼方の前兆 空に飛び立つ
*
第四楽章
夜という海
闇夜の吐息 漆黒の片すみ
静寂が浜辺に 流れ漂う
セイレーンが見守る
夜という海で眠る者たちに
恵みあれ
波間に包まれる
老いと 若きの 夢
このささやかな祈りが 届くのを願いながら
夜空の星 夜空の星
今日も見つけた
ぼくの願いをきいてください
お父さんが
ぼくに物語を持って帰ってこれますように
ずっと起きて
寝ないで待つから
願いを叶えてください
夜空の星 夜空の星
今日も見つけた
ぼくの願いをきいてください
お母さんが
ぼくに物語を歌ってくれますように
夢から覚めて
歌を聴いて起きたいから
願いを叶えてください
*
第五楽章
空が輝いた日
サイレナ サイレナ サイレナ サイレナ
サイレナ サイレナ サイレナ サイレナ
輝ケ輝ケ 美シイ ヒカリ
見テ 空ヲ灯ス
キレイナ空 キレイナヒカリ
隠レナイデ 見エテルカラ
隠レナイデ ココニイルカラ
燃エテ 燃エテ 燃エテ 燃エテ
逃ゲテ 逃ゲテ 逃ゲテ 逃ゲテ
ワタシカラ
サイレナ サイレナ サイレナ サイレナ
サイレナ サイレナ サイレナ サイレナ
輝ケ輝ケ 美シイ ヒカリ
見テ 空ヲ灯ス
キレイナ空 キレイナヒカリ
輝ケ 輝ケ 輝ケ ヒカリ
正気 正気 正気 正気
悲劇 惨劇 炎火 幻想
正気 正気 正気 正気
悲劇 惨劇 炎火 幻想
逃ゲテ 逃ゲテ 逃ゲテ
*
泣いているの
泣いているの 僕には聞こえる
ない ない 全部なくなった
なんで なんで
見テ 空ヲ灯ス
泣いているの 僕には聞こえる
これは 誰の記憶 誰の思いで
モウ大丈夫 マブシイヒカリハ 消エタカラ
全部夢 タダノ物語
サア 起キテ
でも
なんで なんで
泣いているの
これは 誰の記憶 ぼくも泣いたんだ
見テ 空ヲ灯ス
キレイナ空 キレイナヒカリ
見テ 空ヲ灯ス
キレイナ空 キレイナヒカリ
*
第六楽章
もうきかないで
静かな声 静かな声
雨の中 あなたの声は 聞こえている
もうきかないで 答えはないのだから
もうきかないで 答えはないのだから
求める声 求める声
あなたが必死に 求めるものは もう見つからない
穏やかな雨のなか 傷を癒して
永遠の安らぎのなか 降り注ぐ
愛と優しさは 小川のように
降る雨 あなたの心に平穏を
この声を聞いて 涙をぬぐって
静かな声 静かな声
雨の中 あなたの声は 聞こえている
もうきかないで 答えはないのだから
もうきかないで 答えはないのだから
*
第七楽章
手をとって
ぼくの手をとって 一緒にさがしてくれる
全部なくなったけど 許してくれる
ぼくの手をとって 一緒に歩いてくれる
全部なくなったけど 許してくれる
思い出はあるけれど 全部壊れたから
嬉しいものも なくなって 持っていかれたから
ぼくの手をとって 一緒にさがしてくれる
絶対に見つけるから
最後まで探すから
ぼくも いつか忘れ去られるのかな
壊れた魂 取り上げられた愛
暗闇に包まれても 自分を責めないで
心は苦しく 傷は深く
あなたのせいじゃない
壊れたのは あなたのせいじゃない
壊れたこの世界に 取り残されて
さあ、一緒に
この手をとって 一緒にさがそう
まだなくなっていない 最後まで一緒に探すから
この手をとって 一緒に歩こう
まだなくなっていない 最後まで一緒にいるから
思い出はまだ 終わっていないから
もっと近くへ 大事に持って帰ろう
ぼくの思い出は なくなった 壊れたから
この手をとって 一緒にさがそう
この手をとって
絶対に見つけるから
最後まで探すから
手を放さないで
これは あなただけの
物語じゃないから
ぼくも いつか忘れ去られるのかな
*
第八楽章
風がまた吹くとき
風の帰還 静寂が響く
息を吸い 再び
風がまた吹くとき
新たなる朝へ向けて 生まれ変わる
空のため 時のため
帰り、描こう
この物語を 芽吹く春として
風 その端をつかみ
風 まだ終わらせない
風 再生は始まった
風 この果てしない青さよ
新たな命として 再び空へ
風がまた吹くとき また吹くとき
命を彩る 新たな章のはじまり
また 生きて
風
新たなる朝へ向けて 生まれ変わる
空のため 時のため
風がまた吹くとき